正暦寺にお納めした十二神将をご紹介します

2022年11月27日

毘羯羅(びから)大将 

十二神将とは、薬師如来をまもる12人の将軍

(twelve heven general)のことです

像の形、持物ははっきりしていません

我国の最古の例は新薬師寺の12神将です

私はこれを基本に制作しています

びから大将は北を守ります、三鈷杵をもち敵をにらんでいます

目は三白眼で瞳を青色です

招杜羅(ショウトラ)大将

北東を守ります 古代では万物は5大元素(木、火、土、金、水)で出来ていると思われていました

しょうとら大将は火を表しています 火の中に立ち 牙をむき、髪の毛は燃え盛っています

真達羅(シンタラ)大将

東北東を守ります 音楽の神であり水の中より現れて全軍の緊張した心を横笛を吹き和らげます

自身も目をつぶりうっとりとしています

摩虎羅(マコラ)大将

東を守ります 蛇の化身であると言われていますので頭の毛を蛇のようにうねらせてみました

大地を踏みしめ斧を持っています

波夷羅(ハイラ)大将

東南東を守ります はいらは「風」の化身です従って弓、矢を持ち敵をにらみまさに弓に矢をつがえんとする静から動へ移る瞬間の姿です

顔は興福寺の阿修羅の右の顔 怒れる顔を写しました

因達羅(インダラ)大将

東南東を守ります 神々の王 帝釈天の別名です 須弥山(ヒマラヤ)の上に立ち 各将軍の持つ将兵7500人あわせて84000人の軍団の総指揮官です

珊底羅(サンチラ)大将

南を守ります さんちらは神将軍の軍師です 右手で印を結び 左手にほら貝をもちます

いざ危機がおとずれるとほら貝をふくのです

額你羅(アニラ)大将

南南西を守ります 風の化身であり 矢を持っています 矢が真っすぐかどうかみているのです

あにらが風であるので袋を担いだ「風神」の上に乗っています

安底羅(アンテラ)大将

西南西を守ります 上から迫りくる敵を見ています どこかで雷が鳴っています

足を踏まえている下に雷神がいるのです

迷企羅(メキラ)大将

西を守ります 12神将の名前はサンスクリット語ですがその意味は分かりませんでした

従って新薬師寺の形そのまま写しました

伐折羅(バサラ)大将

西北西を守ります ばざらはバジュラすなわち武器を持った人という意味です

ここでは剣を持っています

宮毘羅(クビラ)大将

北北西を守ります この名もよくわかりません よく似た名前にクンビーラ、金毘羅、毘沙門天等があります

鞍馬寺の毘沙門天は手をかざして遠くを見ていますね その形をとりました